地域の産業保健事例データーベース作成・活用に関する調査研究
調査研究課題名
地域の産業保健事例データーベース作成・活用に関する調査研究
主任研究者
馬場 快彦(福岡産業保健推進センター所長)
共同研究者
東  敏昭(産業医科大学作業病態学教授)
舟谷 文男(産業医科大学医療科学教授)
津田  徹(産業医科大学作業病態学助教授)
八幡 勝也(産業医科大学講師)
筒井 保博(日立金属(株)九州診療所所長)
【はじめに】

 産業保健推進センター・地域産業保健センター(以下推進センター、保健センター)が産業保健に従事するスタッフを支援するためには、利用し易い産業保健情報DBの充実が有用と考えられる。
このため推進センターは汎化されたDBに加え地域特性の高いDBを作成する必要がある。本調査研究では文字情報、音情報(職場の騒音、音楽情報、心音、呼吸音など)、画像情報をデジタル化したマルチメディアとして、編集・記録・テキスト活用・通信が可能なDB作成システムを試作(Ver1は、第68回産衛誌1995にて発表)した。本年度は具体的な事例情報等を入力し、システムとしての実用性、操作性、再現性、時間・コスト面などからの検討を行った。
【開発した機器の構成】

システムの構成は、以下のようなものである。
(1)IBM Aptiva775 MM:32MB
(2)DisplayIBM 17inch 1024*768
(3)color image scanner SHARP JX-325M
(4)IS&C MOD sub system RICOH RS-9200EXi(5inch)(and/-3.5inch MOD subsystem RICOH RS-3102E)
(5)imageprocessing system RICOH "産業事例ファイリングシステム"
(6)ColorPrinter EPSON MJ-800C 720dpi。(図1
【試作システムの機能・活用】

 本システムは、ファイルの作成・検索を行うもので入力フォーマットは自由度が高く、かつ共通性を保持するため、自由入力とキーワード検索入力を併用した。又試験的に入力したDB用情報は、
(1)黒崎窯業、その他の改善例
(2)Asbestos関連の講義スライド
(3)産医大グループの実施している医師会用基礎コース資料
(4)AIA(Asbestos Imternational Association)の100枚の石綿関連疾患診断標準フィルム、
(5)ILOじん肺標準写真、
(6)日本じん肺標準写真(中央労働災害防止協会)などである。(図2
【オンラインによる提供】

インターネット上に、福岡産業保健推進センターのホームページを作成し、労働福祉事業団・産業保健推進センター活動を紹介できる形とした。
このホームページを通して、作業改善事例を提供する事が可能である。
さらに、電子メールの活用により情報伝達がスムーズに行えるようになることが期待される。
【今後の課題】

実際に、CRT上への出力で参照用として実用に耐えうるか、読書速度、教材化(オーサリング)における利便性、通信における時間・コスト、セキュリティー等の課題を実証的検討することが必要である。
なお、今後静止画像に加え、ビデオなとの動画情報のDB化を検討している。